転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 マーサの言うこともわかるが、精霊と契約できたらイヴェリオの役に立てるかもしれないではないか。

(精霊使いとしての能力を、鍛えてみようかな……)

 精霊使いについての本が、この屋敷にはたくさんある。リリカを引き取ってから、新しく購入したものも多いそうだ。

「わかった」

 こうなったら、勝手に契約してしまえばいいのだ。
 今、目に見えているということは、きっとリリカと契約したいのだろうから。

「マーシャ、あたち、あとでとちょちちゅにいく」
「図書室でございますか?」
「あい。しぇいれいのごほん」
「焦らなくてよいと申し上げましたのに」

 マーサはちょっぴり困った顔になったけれど、誕生日パーティーが終わったあとは図書室へと連れて行ってくれた。


(まずは、魔力を育てるところからよね……)

 リリカは、もうどんな本でもすらすら読むことができる。それは、前世に山ほど本を読んだ経験から得た特殊な能力なのかもしれなかった。
 精霊と契約するためには、魔力が必要になるそうだ。
 そのため、リリカの魔力を育てるところから始めなければならないらしい。どの本にも、そう書いてあった。
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