転生幼女と宰相パパは最強コンビ
王宮の人達も、夜鳴草の栽培方法については調べていたはずだが、まったく関係のないところに資料が紛れていた。これでは、見つけられなくてもしかたない。
彼らはリリカとは違い、図書館での資料探しに専念できるわけでもないし。
こっそり資料を持ち出し、誰も見ていないすきを狙って、少しずつ読み解いていく。
(ルーンストーンかぁ……)
メモを取りながら、リリカは嘆息した。
ルーンストーンは、魔石に様々な呪文を書いたものだ。魔道具を作る時にも、使われる。
夜鳴草の栽培については、畑の底に魔術陣を描いた板を埋め込み、周囲にルーンストーンを埋め込むと書かれている。大切に育てても枯れてしまっていたのは、その仕組みを利用していなかったからということらしい。
(これ、参考になるよね……?)
イヴェリオに告げたいけれど、上手に言葉で伝えられる自信はない。手紙を書いて、机の上に置いておこう。
夜中にこっそり手紙を書き、屋敷の机に置いておく。明日にでも、気づいてくれるだろう。
* * *
精霊使いとしての才能があるのは、リリカにとっては幸福なことなのだろうか。