転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 屋敷に戻った時には、リリカが生きているのを確認する。すくすくと育っているそうだ。
 リリカはおとなしく、子供がやりがちないたずらもやらないとマーサから聞いている。今のところ、問題は何一つ起こしていない。
 そんな話をしながら仕事をしていたら、王宮の使用人が執務室を訪れた。

「――我が家の者が来たそうです。隣に戻りますね」
「うん。何かあったら呼ぶよ」

 あまりにも屋敷に戻れないため、時々家の者が必要な書類を持って王宮を訪れることがある。本来ならば許されない行為だが、今のところ、アークスもそれでよしとしている。この点は、アークスが成人になるまでに改めなければとは思っている。
 隣にある自分の執務室へと入ったイヴェリオは、驚かされることになった。
 案内されてきたのは、執事のローゼスだけではなく、リリカとマーサまで一緒だったのだ。

(何があった……?)

 疑問に思いながらも、ローゼスが差し出した書類を確認する。イヴェリオがすぐに確認できるよう、しっかりローゼスが要点をまとめてくれているので、さほど時間はかからない。署名を終えたところで、リリカに呼ばれた。

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