転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 結局、イヴェリオが側で見張るのが一番いいだろうということになり、アークスの許可を得て、王宮に連れていくことにした。
 毎日リリカを連れて王宮を訪れているが、今のところアークスと接点を持たせたことはない。

「……リリカ、何をしている?」
「ごほん、よんでましゅ」

 おそらく、リリカは相当賢いのだろうと思うのは、三歳にして文字の読み書きが完璧だからだ。
 まだ字は練習する必要があるが、きちんと自分が何を書いているのか把握している。

「……我が家の本は好きに読んでいいとは言ったがな? なぜ、それを選ぶ」

 リリカが屋敷の図書室から持ってきたのは、この国の農業について書かれた本である。
 子供ならば冒(ぼう)険(けん)譚(たん)とか好みそうなものなのに――とテーブルに目をやったら、王女様が主人公の物語もしっかり置かれていた。

「おもちろしょう」
「……そうか。面白いと思って読んでいるならいいんだが」
「あい」

 イヴェリオとの会話をそうそうに終わらせたリリカは、農業書を眺め、真剣な顔をして、ふむふむと何か口の中でつぶやいている。
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