転生幼女と宰相パパは最強コンビ
 普段イヴェリオとリリカが王宮に赴く時には、ここまで厳重な警戒はしていない。

「イヴェリオ、招待してくれてありがとう」
「お待ちしておりました、陛下」

 身軽な動作で馬車から下りてきたのは、まだ幼い少年だった。もうすぐ十三歳と聞いているが、リリカが想像していたよりもなお幼いように見える。
 アークスの青い目が、リリカを見るなりまん丸に見開かれた。

「その子が、精霊使い?」
「はい、リリカでございます。リリカ、ご挨拶を」
「リリカでごじゃいましゅ。どうじょ、よろちくおねがいちましゅ」

 頭の中には、もっと長い文章が浮かんでいたし、もっときちんとした挨拶もやろうと思えばできるはず。できるはず、なのだが、上手に言葉を発する自信がない。
 今の挨拶だって、できる限り簡略化したけれど、それでもあちこちでしゅましゅになってしまっている。

「……よろしくね。もう、精霊を実体化できるって聞いたよ。あとで見せてくれるかな?」
「いいけど、ちょっとだけ、でしゅ」
「一分程度しか実体化できないのですよ、陛下。もう少し成長して、魔力が増えれば状況も変わると思うのですが」
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