アリのように必死に。 そして、トンボのように立ち止まったり、後戻りしながら。 シジミチョウのように、柔らかな青に染まった翅を自在に動かして、私は飛んでいく。

07


 私は、「アリ」について。

 マッピングマップの大きな丸に「アリ」と書き入れる。
 
 その丸から、線を2本、伸ばし、「能力」「飼う」と書き込む。

 能力の方は、一番驚くっていうやつがなくて、すごいやつがいっぱいで、箇条書きでまとめることにした。

 
 ・体重の約50%以上のものを持ち上げられる
 ・曇りでも太陽の方角が分かる
 ・高いところから落ちても死なない
 ・胃が二つある

 と、こんな調子で、「アリの凄い能力」という見出しで書いていく。

 「飼う」のところは、家で飼っているアリの写真を載せるつもりだ。


 時計が4時を回り、窓から見えていた青空が夕焼けに変わってくる。


 蕾ちゃんを昆虫研究会のグループチャットに入れて、今日は解散となった。

 「蕾ちゃんは、駅に用ない感じだったら、来なくても大丈夫だよ」
 
 と、若葉さんは言いながらも来てくれたことを嬉しがっていた。

 
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