死ぬ前に後悔したくないからと婚約破棄されましたが、溺愛されました
「あぁ、なかなかこれも倒錯的で興奮しますね。ミアの肌は柔らかくて心地いいです」
「そんなはずな……い……」
水仕事で手は荒れている。パン生地をこねるのは力がいるので、腕力もつくし手も固くなっている。
あまり間近で見られたくない。
私の上に覆い被さる姿勢で、妖艶な眼差しでみつめてくる。空色の瞳が徐々に熱を帯びてくる。
あの時と同じく私の体も徐々に火照っていく。
「随分余裕ですね?他のことに気を取られるなんて……妬けますね。あぁ、名乗るのが遅くなりましたが、私の名前はエリオットです、ミア」
「エリオット様……?」
あれ?なんだか聞き覚えがあるような……
あと少しで思い出せそうなのに。