【完】オキナグサに愛を込めて
夢物語⑦


───……月曜日、わたしは今日も空き教室へ来ていた。

もちろんレンさんのお迎えで。
今日はアキトが居ないから伸び伸び出来るぞと教えてくれた。

今日はシホが家の用事で休みなので、わたし1人。

それから空き教室に着いてからずっとレンさんは何やら忙しそうに電話をしている。


「エマちゃん、あの後レンの誕生日祝えた?」

『はい!教えてくださりありがとうございました!』

「うん!よかった」

『あ、でもユウキさんに教えて貰ったことは言ってないですよ!』

「そっか、ありがとね」

このクシャッと笑う顔にやられる女の子は多いんだろうな…。

『それと、ご飯ご馳走様でした!とっても美味しかったです!』

「食べてくれたんだ!ありがとう」


『でもわたし、あの日倉庫にいて良かったんでしょうか…』

「どうして?」

『あんな大事な日に部外者のわたしが居て良かったのかなと…』


「何言ってんの?エマちゃんは大事なお姫様でしょ?」


『……お姫様?』

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