【完】オキナグサに愛を込めて
「レンでいいから。呼び方。」
ビックリしているわたしにレンさんが続ける。
「さっきまでレンさんって言ってただろ。」
『あ、えっと、アキトさんから言われて馴れ馴れしいかと思って…』
「チッ。アキトはどうなんだよ」
『アキトさんから呼んで欲しいと言われたので…』
「じゃあ良いじゃねえかよ」
まあ、確かにそうだ。
レンさんがいいと言えばレンさんと呼ぶことに何が問題なんだろう。
『で、では。レンさんと呼ばせていただきます!』
レンさんの事は今までレンさんとしか呼んだことがなく、正直クロサキさんと呼ぶのに不慣れな部分があった。
それに、本人からレンさんと呼ぶことを許可されたことが嬉しかった。
フッと口角を上げて笑うレンさんに釣られてわたしも笑みが溢れた。