ゆびさきから恋をする
Section7

鬼上司はやっぱり仕事を振りまくってくる

 あの後、爆発させたキッカケを話すまで離してくれないので仕方なく木ノ下さんの件を伝えることになった。

「……なんでそんなしょうもない相手にムキになるんだよ」

 はぁ、と心底呆れたようなため息をこぼされて何も言い返せない。

(そうだけど。ていうか、この人今、しょうもない相手って言った? 木ノ下さんのことしょうもない相手って言った?)

「だってムカついて……」

 ストレートな言葉を思わず吐いたら目が合う。

「わかるけど。相手が悪すぎるわ、なんであんな……」

 言いかけて口を噤むから思わず問いかける。

「……あんな?」

 首をかしげると久世さんは自分の口を手で覆って咳払いをした。

「これいうとマジでパワハラ発言になるからやめとく」

 つまり何かよろしくない言葉を言おうとしたのかと判断して、もうそれ以上追及するのはやめた。

「とにかく。そういうことでしか優越感を感じられないような相手とわざわざ同じ土俵に立つな。時間の無駄すぎる。そんな相手に貴重な自分の時間費やして……しかも気持ちまで振り回されて? あほらしい、マジで勿体ないわ」

「……」

 なんだか十分パワハラ発言してると思うけど……は、飲み込んでおいた。
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