ゆびさきから恋をする
一冊本を手に取りそう言われたので軽く頭を下げて私も答える。
「はい。ありがとうございました」
「じゃね」
サラッと別れられてなんだろう、若干の拍子抜け。
(……別に休みの日だし、プライベートだし……何ってないんだけど!)
それでも私服の久世さんはカッコよかった。そんなことを脳内でフト考えてしまって頭を振る。上司をそういう目で見るのはいかがなものか。かっこいい人は目の保養ではあるが、私情を挟むのは業務に支障をきたす。よろしくない、と心を落ち着かせた。
そして迷いつつもやはりあの辞典が一番理想的と納得して私も遅れながらレジに向かってお金を払おうとした時だ。
「え!」
「……よかったですか?」
思わず声を上げた私に可愛らしい女性の店員さんが精算をためらう。
「……大丈夫です」
ニコリと私も大人の対応。全然分かってました、みたいな毅然とした態度を取るのだが内心は冷や汗もんだ。
(15000円!? 1500円じゃないの!?)
完全に見間違い。桁を大幅に勘違いしていて精算時にぶっ飛んでいる。
それでも値段間違えてました〜が言えなくて……変なプライドと見栄が……店員さんの気遣いがなんだか切なくて。
「カードで」
にこりと微笑んで内心は叫んでいた。
(15000円ー! たっかーい!)
「はい。ありがとうございました」
「じゃね」
サラッと別れられてなんだろう、若干の拍子抜け。
(……別に休みの日だし、プライベートだし……何ってないんだけど!)
それでも私服の久世さんはカッコよかった。そんなことを脳内でフト考えてしまって頭を振る。上司をそういう目で見るのはいかがなものか。かっこいい人は目の保養ではあるが、私情を挟むのは業務に支障をきたす。よろしくない、と心を落ち着かせた。
そして迷いつつもやはりあの辞典が一番理想的と納得して私も遅れながらレジに向かってお金を払おうとした時だ。
「え!」
「……よかったですか?」
思わず声を上げた私に可愛らしい女性の店員さんが精算をためらう。
「……大丈夫です」
ニコリと私も大人の対応。全然分かってました、みたいな毅然とした態度を取るのだが内心は冷や汗もんだ。
(15000円!? 1500円じゃないの!?)
完全に見間違い。桁を大幅に勘違いしていて精算時にぶっ飛んでいる。
それでも値段間違えてました〜が言えなくて……変なプライドと見栄が……店員さんの気遣いがなんだか切なくて。
「カードで」
にこりと微笑んで内心は叫んでいた。
(15000円ー! たっかーい!)