ゆびさきから恋をする
「そんなん興味もつ女の子、あんまいないと思うけどな」

 これは俺なりの褒め言葉だったのに。

 こんな向上心の高い子が部下って最高じゃないか、純粋にそう思っていただけだけど、彼女には何だか変な勘違いをさせてしまった。

 「……っ! 変な女ですよ! どうせ私は!」

 拗ねたみたいな言い方が。照れ隠しなのかなんなのか。でもやっぱりどうしたって思うのだ。

 面白い子だな、と。やっぱりそれしか思わない。

 そしてその後にまた金額の桁を間違えて本を買ってしまったなどと言う。予測していなかった高額を支払うことになったと項垂れるのだ。

 (なんでそんなことになるんだよ! マジでおもろいなこの子!)


 しっかりしているのか抜けているのか。
 
 でもどうしてなんだろう。その場で別れる気にならなかった。

 俺は気づいたら彼女をカフェに誘っていたのだ。
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