ゆびさきから恋をする
「なんで辞めたいんだよ、理由を言え。仕事したいのに手放してまで辞めたくなったのはなんで? 俺はそれが知りたい」
そう言ったら彼女の眉がハの字に垂れ下がる。
「二年も悩んでそれでも続けてきたくせに、なんで今辞めるってなった?」
頑なに閉ざす口を開けたい。
悩んで迷った気持ちを吐かせたい。
泣くほど溜めた気持ちを俺にぶつけさせたい。
守れるかわからない、でも――受け止めてやりたい。
この気持ちはもう上司の域を超えている。
「前にも言ったよな? 覚えてる? 飲み込むのが正解じゃないって。吐ける場所があるなら吐け、我慢するな、いいから言え! 俺にぶつけろ!」
そこまで言えば大粒の涙が弾けて……彼女の顔がぐしゃぐしゃに歪んで俺を見つめ返してくる。
その時思った――あぁ、と。
「……もっと……認められたい……私自身を……評価されたい、でもそれは……出来ないから……諦めてたのに。どんどん欲が出て……久世さんと仕事して……久世さんの下で働いて……ただの歯車なのに勘違いした私が悪いんです! 悔しくても、虚しくても割り切れてたのに……割り切れなくなった自分に嫌気がさしました! 私が派遣を受け入れられなくなった、それだけです!」
震える手が口元からこぼれる嗚咽を塞ごうとしていて、その姿はますます胸を締め付けてくる。
そしてより思うんだ、あぁ、俺は――こんな風に泣かせたかったわけじゃない。
守りたかっただけだ……彼女を。
そう言ったら彼女の眉がハの字に垂れ下がる。
「二年も悩んでそれでも続けてきたくせに、なんで今辞めるってなった?」
頑なに閉ざす口を開けたい。
悩んで迷った気持ちを吐かせたい。
泣くほど溜めた気持ちを俺にぶつけさせたい。
守れるかわからない、でも――受け止めてやりたい。
この気持ちはもう上司の域を超えている。
「前にも言ったよな? 覚えてる? 飲み込むのが正解じゃないって。吐ける場所があるなら吐け、我慢するな、いいから言え! 俺にぶつけろ!」
そこまで言えば大粒の涙が弾けて……彼女の顔がぐしゃぐしゃに歪んで俺を見つめ返してくる。
その時思った――あぁ、と。
「……もっと……認められたい……私自身を……評価されたい、でもそれは……出来ないから……諦めてたのに。どんどん欲が出て……久世さんと仕事して……久世さんの下で働いて……ただの歯車なのに勘違いした私が悪いんです! 悔しくても、虚しくても割り切れてたのに……割り切れなくなった自分に嫌気がさしました! 私が派遣を受け入れられなくなった、それだけです!」
震える手が口元からこぼれる嗚咽を塞ごうとしていて、その姿はますます胸を締め付けてくる。
そしてより思うんだ、あぁ、俺は――こんな風に泣かせたかったわけじゃない。
守りたかっただけだ……彼女を。