黒皇帝は幼女化した愛しの聖女に気づかない~白い結婚かと思いきや、陛下の愛がダダ漏れです~
 半分放心したようになりながらベッドに横たわっていると、陛下に抱き寄せられた。

「オディリア、大丈夫か?」

 汗ばんだ腕の中でちいさくコクンとうなずく。

「すまない。手加減しようと思っていたのに、おまえがかわいすぎて理性が飛んだ」

 優しく髪を撫でられ、あまりの心地よさにまぶたが下りそうになる。気だるさが妙に心地よく、一糸まとわぬ姿で陛下の腕の中にいるというのに、緊張よりも安心のほうが圧倒的に勝っている。

 そういえばロゼのときは毎晩こうやって陛下と眠っていたのよね。
 だからこんなにも心地よいのだろうか。

「ロゼみたいな子ならいいな」
「え?」

 ぼうっとしていたせいで意味がよくわからなかった。顔を上げたら、琥珀色の瞳が私を見つめている。

「おまえに似た娘が欲しいということだ」
「……っ」

 かあっと顔が熱くなった。私達が今したことは、まさにそういうことなのだ。

 子どものことまで考えていなかったわ……。

 最初の頃は、初夜の失敗を取り返すことばかりに気を取られていたし、事件が起こってからはそれどころではなかった。
 思いが通じ合った後は本当の妻になりたいという気持ちが膨らんで、結ばれた後のことまで想像できなかった。

 陛下との子ども……。

 想像しただけでいとおしくてたまらない。まだ見ぬ我が子を今すぐぎゅっと抱きしめたくなる。

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