黒皇帝は幼女化した愛しの聖女に気づかない~白い結婚かと思いきや、陛下の愛がダダ漏れです~
「なんでしょう……私に答えられることならよいのですが」
陛下はわたしをじっと見つめるだけで何も言わない。
な、何? そんなに言いにくいことなの?
ドキドキしながら待っていると、ようやく陛下の唇が動いた。
「さっきのことだが――」
言いかけたとき、後ろから「陛下」と声をかけられた。振り向くと、陛下の従者とエルマが立っている。
「お話のところ申し訳ございませんが、帝都警団長が急ぎの報告を持ってきております」
「わかった、すぐ行く」
陛下が返事をすると、私に向き直った。
「悪い。話の途中だが行かなければならなくなった」
「はい。私のことは気になさらないでください。素敵なバラ園を見せてくださりありがとうございました」
嫌われてなかったとわかっただけでも今は十分だ。
本当ならもう一歩踏み出して『あの夜のやり直し』までお願いすべきところだとはわかっているけれど、このタイミングでそれを口にするのは恥ずかしすぎる。
失敗の謝罪も叶い、陛下との関係も前進した気がするので、今日はここまでとしよう。公務の邪魔をしたいわけじゃない。
「陛下、お忙しいところお付き合いくださりありがとうございました」
またいつか一緒に見に来られる日が来ることを願いながら、スカートを持ち上げ膝を折った。
すると陛下は突然剣でバラを一輪切ってから私のところへ戻ってきた。
「それは……」
さっき私が摘もうとしていたピンクのバラだ。
陛下はそれを私の頭の横にすっと差し込むと、軽く腰を折ってバラの香りを嗅ぐように顔を近づけてくる。
「続きは今夜。部屋へ行く」
耳のすぐそばで艶やかな声がした。その意味を理解するより早く陛下がきびすを返す。
続き? 部屋? 私の、てこと? それって……初夜の続き⁉
去っていこうとする背中に向かって「陛下!」と声をかける。陛下が振り返った。
「今宵お待ちしております!」
陛下は軽くうなずくと前を向き、再び歩きだした。
遠ざかっていく背中を見つめながら、おずおずと頭に手をやる。指に触れた花びらに胸が甘く鳴った。
陛下はわたしをじっと見つめるだけで何も言わない。
な、何? そんなに言いにくいことなの?
ドキドキしながら待っていると、ようやく陛下の唇が動いた。
「さっきのことだが――」
言いかけたとき、後ろから「陛下」と声をかけられた。振り向くと、陛下の従者とエルマが立っている。
「お話のところ申し訳ございませんが、帝都警団長が急ぎの報告を持ってきております」
「わかった、すぐ行く」
陛下が返事をすると、私に向き直った。
「悪い。話の途中だが行かなければならなくなった」
「はい。私のことは気になさらないでください。素敵なバラ園を見せてくださりありがとうございました」
嫌われてなかったとわかっただけでも今は十分だ。
本当ならもう一歩踏み出して『あの夜のやり直し』までお願いすべきところだとはわかっているけれど、このタイミングでそれを口にするのは恥ずかしすぎる。
失敗の謝罪も叶い、陛下との関係も前進した気がするので、今日はここまでとしよう。公務の邪魔をしたいわけじゃない。
「陛下、お忙しいところお付き合いくださりありがとうございました」
またいつか一緒に見に来られる日が来ることを願いながら、スカートを持ち上げ膝を折った。
すると陛下は突然剣でバラを一輪切ってから私のところへ戻ってきた。
「それは……」
さっき私が摘もうとしていたピンクのバラだ。
陛下はそれを私の頭の横にすっと差し込むと、軽く腰を折ってバラの香りを嗅ぐように顔を近づけてくる。
「続きは今夜。部屋へ行く」
耳のすぐそばで艶やかな声がした。その意味を理解するより早く陛下がきびすを返す。
続き? 部屋? 私の、てこと? それって……初夜の続き⁉
去っていこうとする背中に向かって「陛下!」と声をかける。陛下が振り返った。
「今宵お待ちしております!」
陛下は軽くうなずくと前を向き、再び歩きだした。
遠ざかっていく背中を見つめながら、おずおずと頭に手をやる。指に触れた花びらに胸が甘く鳴った。