【番外編】イケメン警察官、最初から甘々でした。
🌸
膝枕にとろける
日曜の午後、春の陽が差し込む静かな部屋の中。
ソファに座る美香奈の膝の上には、神谷涼介の頭がすっぽりと収まっていた。
「……ん」
短く声を漏らしながら、涼介が少し体勢をずらす。
でも、顔は相変わらず無表情。
目元ひとつ動かさず、ただ黙って天井を見ていた。
美香奈はそんな彼の髪を、指先でそっと梳く。
さらり、さらりと。
柔らかくて、意外にも整えられた髪。
警察官という職業柄、短めではあるけれど、指先を滑らせるたびに彼の無防備さが胸にくる。
「ねえ、涼介くん」
「……」
返事はない。でも、聞いていないわけじゃない。
髪を梳かれるリズムに合わせて、ほんのわずかに瞬きのペースが落ちている。
彼の“無表情”にも、慣れてきた。
「そのまま寝ちゃうの?」
すると涼介は、少し間を置いて、ぽつりと口を開いた。
「……このまま寝る」
その声もまた、表情を含まない静かなトーン。
でも――
(あれ?)
耳が、少しだけ赤い。
美香奈はそれに気づいて、思わず笑いそうになるのを堪えた。
無表情で「寝る」と言いながら、顔はまったくリラックスしていない。
むしろ、照れているのをどうにか押し殺しているようにも見える。
「じゃあ……もっと気持ちよくしてあげる」
そう言って、美香奈はさらにやさしく、ゆっくりと彼の髪を撫で続けた。
言葉にせずとも伝わる安心感が、この空間にだけ流れている。
そして涼介は、ほんの少しだけ目を閉じ――
耳元が、ますます赤く染まっていった。
ソファに座る美香奈の膝の上には、神谷涼介の頭がすっぽりと収まっていた。
「……ん」
短く声を漏らしながら、涼介が少し体勢をずらす。
でも、顔は相変わらず無表情。
目元ひとつ動かさず、ただ黙って天井を見ていた。
美香奈はそんな彼の髪を、指先でそっと梳く。
さらり、さらりと。
柔らかくて、意外にも整えられた髪。
警察官という職業柄、短めではあるけれど、指先を滑らせるたびに彼の無防備さが胸にくる。
「ねえ、涼介くん」
「……」
返事はない。でも、聞いていないわけじゃない。
髪を梳かれるリズムに合わせて、ほんのわずかに瞬きのペースが落ちている。
彼の“無表情”にも、慣れてきた。
「そのまま寝ちゃうの?」
すると涼介は、少し間を置いて、ぽつりと口を開いた。
「……このまま寝る」
その声もまた、表情を含まない静かなトーン。
でも――
(あれ?)
耳が、少しだけ赤い。
美香奈はそれに気づいて、思わず笑いそうになるのを堪えた。
無表情で「寝る」と言いながら、顔はまったくリラックスしていない。
むしろ、照れているのをどうにか押し殺しているようにも見える。
「じゃあ……もっと気持ちよくしてあげる」
そう言って、美香奈はさらにやさしく、ゆっくりと彼の髪を撫で続けた。
言葉にせずとも伝わる安心感が、この空間にだけ流れている。
そして涼介は、ほんの少しだけ目を閉じ――
耳元が、ますます赤く染まっていった。
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