エリート医務官は女騎士を徹底的に甘やかしたい
 ガイアは私から体を離すと、私の横に立った。はあ、やっと解放された……!

「これからも、うちのニーナをよろしくお願いします」

 そう言って、ガイアは丁寧にお辞儀をした。えっ、何!?そんなことされると、なんだか照れくさいんですけど!?

「あ、はい、こちらこそ」

 ガイアの行動に、同僚たちも驚いている。ガイアは顔を上げて、私を見て微笑んだ。

「それじゃ、俺は医務室に行くよ。また後で」
「え、あ、うん……」

 私も同僚たちも、颯爽と立ち去るガイアの後ろ姿をぽかんと見つめていた。

「……なんか、すげぇ大人の男って感じする」
「ガイア医務官て、ニーナより年上だっけ?」
「えっと、確か三歳上…・・・?」
「三十手前の色気か。そこに惚れたの?」
「なっ!違うわよ!」
「はいはい、誤魔化さなくていいから。俺ももう少し年取ったらああなれるかな」
「無理だろ、さ、俺たちも行こうぜ」

 同僚たちは歩き出すけど、私はまだ足を動かせずにいた。同僚たちの背中を見ながら、さっきのガイアの背中を思い出す。なんだろう、同じ男性なのに背中だけでも全然違く感じる。って、ガイアだよ!?どうしてガイアをこんなに意識しちゃうんだろう。だめだ、とにかく仕事に集中しないと!

 そう思って歩き出す私の背中を一人の人間が建物の影からじっと見つめていたことに、私はその時全く気がついていなかった。
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