エリート医務官は女騎士を徹底的に甘やかしたい
「まぁそれはそうかもしれないけどさ。一応けじめとして鍵はかけておいててくれよ。俺もその方が安心だし。ニーナが間違って俺を襲いに来てしまうかもしれないだろ?」
「はぁ?そんなことしないわよ」

 ヘラヘラとした顔でガイアが言う。まったく、何を言ってるんだか。軽口を叩いていつも通りだもの、さっきの表情はたぶん気のせいだったんだろうな。

「まぁ、とにかくこれからよろしくな。ニーナには迷惑をかけてしまって申し訳ないと思ってる」

 急に真剣な顔でそんなこというからドキッとしてしまった。

「気にしないで。私はいつもガイアに助けてもらってるし。恩返しみたいなものだもの」
「そう言ってくれるとありがたいよ。それじゃ、荷物を部屋に置いたら、屋敷を案内しよう」

そう言って、ガイアは私の荷物をひょいっと持ち上げた。

「あ、いいのに。私、自分で持っていくよ?」
「まぁまぁ。愛しの婚約者、未来の奥さんを甘やかしたいんだから、素直に甘えてくれよ」

 ニッ、と口の端を上げてガイアは言う。何それ、愛しの奥さんだなんて、思ってもいないくせに。
 でも、急にそんな事言うなんてなんだかこそばゆいし、思わず照れてしまう。

 照れてることをバレたくなくて、私はガイアの後ろをそっとついていった。

 
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