幼なじみが連れてきた結婚相手がすごい俺様だった話
「俺様だからやりたいようにやっていいはずだ。
 今は、お前に尽くしたい気分なんだっ。

 お前と……」

 そこで充悟はつまった。

 どうしたんですか、俺様、と思う。

「……お前と……」

 充悟はその先を言わず、少し困ったような顔をしたあとで、とってつけたように言った。

「……旅行にでも行きたいかな」

 声が尻すぼみに小さくなり、杏奈と美佳が、うーん、と渋い顔をした。

 やはり、ほんとうは違うことを言いたかったようだ。
 そう思いながらも、晴乃は言った。

「いいですよ」

 えっ? いいですよっ? と全員が身を乗り出す。

「なんだかんだでお世話になってますし。
 私が旅行にご招待しますよ」

「いや、そういう感じの旅行じゃなくて……

 って、お前、無職なんだろっ?」
< 211 / 270 >

この作品をシェア

pagetop