幼なじみが連れてきた結婚相手がすごい俺様だった話
「どうしたの?
 すぐに帰ってくるよ。

 ……杏奈も一緒に行く?」
と充悟に、待てー! と言われそうなことを、つい、言ってしまう。

 ベッドに腰掛け、杏奈を膝に抱えると、杏奈は晴乃の胸に額をこすりつけてきた。

「おねえさま、離れていても、杏奈は妹?」

 いや、ほんとに長い湯治に行くわけではないんだが、と思ったが、杏奈の表情を見て、なにか違うなと気がついた。

 そのまま、黙って、膝に抱いていると、杏奈のぬくもりが伝わってくる。

 子どもって、体温高いなー。

 甘えるように目を閉じていた杏奈が口を開いた。

「ママの気分ひとつで、生きてたり、死んだり失踪したり、アラスカに行ったりするパパなんだけど。

 また生き返ってきたみたいなんだよね」

 ……パパはゾンビかな?

 よくわからないが、望都子さんのことだ。

 そのときの機嫌で、パパがいない言い訳を変えているのだろう。

 そして、きっと、また連絡をとるようになったんだ、ゾンビなパパと。
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