幼なじみが連れてきた結婚相手がすごい俺様だった話
「私も行くわー」

 あなた、お父さまの花嫁なんですけど。

「私もあなたくらいの頃は夢いっぱ……

 いじゃなかったわ。

 親の会社が倒産したから」

 ダークな話がはじまってしまった。

「何処行くの。
 あら、いい宿ね。

 夜逃げとか逃避行によさそう」

 連絡先を知らせるためにホールのテーブルに置いていた宿のパンフレットを手にした望都子が言う。

 人のいい充悟は酔っ払いの話をそのまま聞いている。

 パンフレットを見つめたまま、望都子は言った。

「さようなら、晴乃さん。
 短い間だったけど、ありがとう」

「……こちらこそ、お世話になりました。
 いろいろいい経験もできましたし」

「それ、嫌味?」
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