幼なじみが連れてきた結婚相手がすごい俺様だった話
 


 湯治の宿に車で向かいながら、充悟が言う。

「なんかいいな、家族って」

「そうですね。
 ……帰ったら、きっともう誰もいませんけどね」

 お父さまは、忙しくて、あまりお見かけしないし。

「ちゃっかり、お母さまが帰ってきてるかもしれませんけど。

 そういえば、あの二人、なんで、離婚したか知ってます?

 いろいろ理由はありましたけど。

 実は直接の原因は、お母さまが、仕事の関係で、しばらく海外で暮らしたいって言ったことなんですよ。

 お父さまが、私を捨てるのかって言い出して」

「いや、いまどき、海外なんて、すぐだろ」

「でも……うーん。
 なんていうか。

 つまりは、お母さまが、家族より、というか、夫より自分のこと優先な方なので、結局、そこが合わなかったんじゃないですかね?

 あ、ちなみに、お父さまは、充悟さんのことも、家が結構近いと知ったので、歓迎気味になってますが。

 海外勤務になったら、破談だって言ってましたよ」

「……いや、俺、自分の会社なんで、海外に行かされるとかないから」
と充悟は青ざめなから言っていた。
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