幼なじみが連れてきた結婚相手がすごい俺様だった話
こういうところって地元のものを使った料理が多そうだから、山菜ばっかりいっぱい出たらどうしよう、と晴乃は思っていたが。
普通に美味しい旅館の食事だった。
鍋の煮える音と古い分厚いガラス戸の向こうの風の音。
まったりするな~と思う晴乃の前で、充悟が物騒な話をはじめた。
「最近、ずっと、誰かに脅迫されたいと思ってたんだ」
……いや、なんでいきなり、そんな話になりました、
と思っていたが、充悟が真剣に煮えている鍋の中を見ながら言うので、黙って聞くことにした。
「じいさんや周りの奴らが、結婚しろしろとうるさいから、お前と結婚することにしたのに。
やつらは、美魔女なお前の母親に乗せられて、突然、方向転換してしまった。
自由に生きていいと言うんだ。
……それは困ると俺は思った。
結婚しろと誰かに脅されなければ、お前と結婚する理由がなくなってしまうから」
顔を上げた充悟は、晴乃を見つめて言う。