最期の晩餐
 翌日、やっぱり瞼がパンパンになった。凄くヒリヒリする。化粧で誤魔化そうにも、痛くて施せない。一番どうにかしたい目だけがスッピンという、意味不明な顔で出勤する羽目になった。

 これは絶対に弄られる。森山さんは優しいからスルーしてくれそうだけど、美知さんと林田さんは『どうした、その目‼』って指さしながら笑うに決まってる。目に浮かぶ。

「はぁー」

 朝イチで大きなため息を吐き、白衣に着替え、

「おはようございまーす」

 栄養管理室のドアを開けると、

「奈々未、あのね……」

 私の変な顔など気に留めず、美知さんが深刻な表情をしながら近づいてきた。

「何? トラブルですか?」

 嫌ーな予感に顔を顰めると、

「……昨日の深夜に、楠木さんが亡くなった」

 美知さんの口から、トラブルどころではない言葉が飛び出した。

「……え」

 一瞬にして頭が真っ白になった後に襲ってきたのは、

「……嘘だ」

 信じられない思い。死ぬわけない。楠木さんが死ぬわけない。だって、私と隼人の結果を聞くまで死なないって言ってたもん。だから、死ぬわけないんだ。

 入ってきたばかりのドアを勢いよく開け、出て行こうとする私の腕を、

「どこに行くの⁉」

 美知さんが掴んだ。
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