最期の晩餐
 相手にする元気などないので、構わずアイスを食べ続けていると、

「……ッ」

 突然下腹部に激痛が走った。二十六年生きているから分かる。これは、一刻の猶予もない勢いで下している。ヤバイ‼ と立ち上がった拍子にスプーンが床に落ちてしまったが、拾ってる余裕すらない。ここで漏らすわけにいかないと、トイレへ急ぐ。

「オイ、どうした⁉」

 アイスを食べてから異変を起こした私に、林田さんが焦りの表情を見せた。が、説明している場合ではもちろんない。

 お尻の穴を精いっぱいすぼめながら走り、トイレの個室へ入った途端に便器に座ると、文字で説明してはいけないくらいに下した。

 経験上、分かる。これは一波では終わらない。だって、一通り出し終わってもまだお腹が痛い。第二波に備えてその場に留まる。

 お昼休みが終わっても戻ってこない私を心配して、

「奈々未ー。生きてるー?」

 美知さんがトイレまでやって来た。

「生きてます。すみません。まだちょっと出られない……。トイレに立て篭もってた時間はちゃんとサービス残業するので、もう少しの間見逃して……」

 決してサボりたいわけじゃないの。お腹がビチビチなの。とお腹を摩りながら涙目になる。
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