不良先輩とさぼり魔の少女。
気づいてしまった
今日は、学校自体サボって…と始めようとしたけど、なんか学校に行く気になった。
今日は、全部授業を受けた。
「はぁ」
最近、ため息をついてばかりだ。
「どーしたの?美零ちゃん。」
まさか、この声は…
と思ってバッと振り返るともちろん蒼先輩がいた。
「なんでいるんですか。」
「なんでいるもなにも、学校に来てるからいるに決まってるでしょ。」
会いたくなかったのになぁ。会ってしまうとどうしても心臓がうるさい。
「今日は屋上来なかったんだね。」
「まぁ、そろそろテストですし。」
「待ってたのに…」
ブワァァと全身が赤くなってくる。
先輩が私を待っててくれた。それだけで、弾け飛ぶぐらいに嬉しかった。
「また、照れたね。」
「うるさい…です。」
パッと後ろを向いた。
「いいの?美零ちゃん。後ろ向いて。」
それを言われて思い出した。先輩と約束をしてしまった。
照れ顔も見せるということを。
「答えない方がよかった…」
「えー答えてくれなかったら知らないよ〜?」
嫌な予感がしたので、次からもちゃんと答えようと心の中で誓った。
「じゃ、美零ちゃん、またね。」
「またね…です」
私は気づいてしまった。一番気づきたくなかったことに。
私は、先輩が好き。ということに。