【ピュア青春BL】幼なじみの君と、ずっとミニトマトを育てたい。
「では、各班ごとに公園でやりたいことについて話し合って、その後にクラス全体でやりたいこともあれば、委員長が中心になってそれも考えてください」と、担任の叶 智也先生が言うと、クラスメイトたちは班ごとに分かれてすぐに盛り上がりだした。僕たちの班は委員長の安部くんの周りに集まり、安倍くん以外のメンバーは立ったまま話し合いが始まった。
「俺、焼肉してーな」
ヤンキーっぽい袴田くんが第一声を上げた。
「焼肉いいね。他に何か意見はある?」
委員長の安倍くんが他のメンバーに聞いてみたけれど、誰も意見を言わない。
「焼肉でいい人は挙手を」
安倍くんがそう言うと僕を含めた意見を述べていない三人が手を挙げた。
「はい、じゃあ焼肉で決定だね! 午前中は一年生の五クラス対抗でレクリエーションゲームをやるから、うちのクラスはその後昼ごはん含め全部自由でいいかな……」と言いながら安倍くんは公園のパンフレットを机の上に開いて見始めた。
僕も一緒にパンフレットを見る。貸切バスで四十五分ほどで着く芝山公園は、初めて行く場所だった。パンフレットには、炊事場の他に広々とした芝生広場や、色とりどりの花壇が並ぶ遊歩道、キラキラ光る湖が映っていて、なんだかワクワクする。
自由時間があるのなら、律くんとのんびり散歩をするのもいいな。律くんはなにかしたいことあるのかな――。
ちらっと律くんを見ると、律くんも腕を組みながら無表情でパンフレットを眺めていた。律くんは今何を考えているのかな。
「よし、うちはオールシーズン焼肉してるから、道具と肉は任せろ。後で金集めるぞ!」と、袴田くんがニヤッと笑った。
「でも、俺、肉あんまり好きじゃないんだよな……」と、杉山くんがメガネの奥で目を細め、ぼそっと呟いた。
袴田くんが眉を上げて、「は? じゃあ何で手を挙げたんだよ?」と少しイラついた声で返す。
杉山くんは肩をすくめて、「別に、思いつかなかっただけ」と、そっけなく答えた。
えっ――?
なんかふたりが険悪なムードになってきている? 喧嘩になったらどうしよう……だけど僕には喧嘩を止める能力はない。律くんはこういうのあんまり気にしなさそうだし、そしたら唯一止めることができるのは安倍くん?
下を向いてパンフレットを見ている安倍くんの表情は眉間に皺を寄せて……曇ってる。そしてさらに「じゃあ、意見言えばいいのに」と、普段の優しそうな雰囲気とはかけ離れた声の低さで呟いていた。
――この傾向は、良くない。
「俺、焼肉してーな」
ヤンキーっぽい袴田くんが第一声を上げた。
「焼肉いいね。他に何か意見はある?」
委員長の安倍くんが他のメンバーに聞いてみたけれど、誰も意見を言わない。
「焼肉でいい人は挙手を」
安倍くんがそう言うと僕を含めた意見を述べていない三人が手を挙げた。
「はい、じゃあ焼肉で決定だね! 午前中は一年生の五クラス対抗でレクリエーションゲームをやるから、うちのクラスはその後昼ごはん含め全部自由でいいかな……」と言いながら安倍くんは公園のパンフレットを机の上に開いて見始めた。
僕も一緒にパンフレットを見る。貸切バスで四十五分ほどで着く芝山公園は、初めて行く場所だった。パンフレットには、炊事場の他に広々とした芝生広場や、色とりどりの花壇が並ぶ遊歩道、キラキラ光る湖が映っていて、なんだかワクワクする。
自由時間があるのなら、律くんとのんびり散歩をするのもいいな。律くんはなにかしたいことあるのかな――。
ちらっと律くんを見ると、律くんも腕を組みながら無表情でパンフレットを眺めていた。律くんは今何を考えているのかな。
「よし、うちはオールシーズン焼肉してるから、道具と肉は任せろ。後で金集めるぞ!」と、袴田くんがニヤッと笑った。
「でも、俺、肉あんまり好きじゃないんだよな……」と、杉山くんがメガネの奥で目を細め、ぼそっと呟いた。
袴田くんが眉を上げて、「は? じゃあ何で手を挙げたんだよ?」と少しイラついた声で返す。
杉山くんは肩をすくめて、「別に、思いつかなかっただけ」と、そっけなく答えた。
えっ――?
なんかふたりが険悪なムードになってきている? 喧嘩になったらどうしよう……だけど僕には喧嘩を止める能力はない。律くんはこういうのあんまり気にしなさそうだし、そしたら唯一止めることができるのは安倍くん?
下を向いてパンフレットを見ている安倍くんの表情は眉間に皺を寄せて……曇ってる。そしてさらに「じゃあ、意見言えばいいのに」と、普段の優しそうな雰囲気とはかけ離れた声の低さで呟いていた。
――この傾向は、良くない。