チャラい社長は私が教育して差し上げます！

それからの日々は、社長も私も多忙を極めた。それが本来の社長業であり、秘書業務だ、と言ってしまえばそれまでだけど、なにせ社長も私もそれらに関しては新人だから、要領が悪い。

「俺、社長業を甘く見てた。親父の偉大さが、少し解った気がする」

「私も、秘書業務を舐めてた。難なくこなす、篠崎課長や先輩達を尊敬してる」

社長は、特に経営統合が関係しそうな会議には積極的に参加し、面会も受けるようになった。それに付随して、社長のスケジュール管理、メールの整理、会議資料の準備等々、私の業務が飛躍的に増えた。

開発工場へ行く余裕はなくなり、榊さんや斯波さんとは、メールや電話でやり取りするほかなかった。

ただ、私的に唯一救われるのは、常に社長と一緒に頑張れる事だった。外出するのも、残業するのも、常に社長と一緒だった。

社長と私は、今や公私ともに最良のパートナーになったと思う。エッチの回数は激減したけども。