チャラい社長は私が教育して差し上げます!
「そして彼は、女にモテる」
「えー、そうかなあ。私は苦手だけどなあ」

「それは私もよ。でも、彼って綺麗な顔してるでしょ?」

「確かに。綺麗過ぎるけどね」

整形してると思うし。

「しかも御曹司だから、女を取っ替え引っ替えよ。頭の軽そうな女ばかりだけど」

ああ、それは凄くよく解る。

「もしかして、もう何かされた?」

ドキッ

社長に危うくキスされそうになったのを思い出し、顔がカーッと熱くなってしまった。

「私は冗談で言ったのに、そんな顔して、何かされたの?」

「何もないよ。ただ、ちょっと、キスされそうになったけど、断固拒否したわ」

「ふーん。でも、考えようによっては、それはアリかもね? あんな男に比べたら、神徳さんの方が遥かにマシだもの」

”あんな男”とは、聡の事で間違いないと思う。恵子には彼の話をしてるから。

「神徳さんが御曹司だから?」
「それも含めてだけど、神徳さんって、ハイスペックだから」

「ああ、背が高いしね。身なりさえ直せば、かなりのイケメンだと思う」

「それは否定しないけど、ハイスペックなのは中身よ。彼はね、すごい秀才なのよ?」

「え? ないないない、それは無いわ」

恵子には悪いけど、あの社長が秀才だなんて、絶対に無いと思う。むしろ、バカだと思う。はっきり言って。
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