チャラい社長は私が教育して差し上げます!
「ずいぶん広いんですね?」
「ああ。やたら広いよな?」
私達は、駐車場から前方に見える大きな建物に向かって歩いている。敷地は広大で、例えるなら大きなサービスエリアか道の駅か、そんな感じかな。
目指す大きな建物は、とてもモダンな作りで、例えるとしたら美術館か図書館かという感じで、工場とは思えない。
「社長。ここって、何の工場なんですか?」
「言わなかったっけ? 開発工場だよ。言ってみれば、俺の古巣ってとこかな」
「ああ、そうだったんですね」
恥ずかしながら、私は開発工場なる物の存在を知らなかった。開発部って、本社ビルの中にあるものと勝手に思ってた。本社ビルの中で、開発が出来るわけないのに。
「秘書って、守秘義務があるんだよな?」
「もちろん、あります」
「じゃあ、ここで見聞きした事は内緒な? 特に『ガッちゃん』の事は」
「あ、はい。承知しました」
『ガッちゃん』という女の子は、重要人物なのかしら。謎は深まるばかりだわ……
その建物の前に着くと、制服を着た警備員さんがいて、社長はその人に向かって手を上げ、警備員さんは社長に敬礼した。いかにも社長はここに来慣れている感じだ。
社長はIDカードをゲートに触れて通って行き、私もそれに倣った。入れなかったらどうしよう、と心配したけど、私のIDカードでも難なく通過出来た。
建物の中に入ると、そこはとても広く、静かだった。例えるなら、図書館か、ホテルのロビーみたいな感じ。
「誰もいないんですね?」
「ここにはね。あっちの扉の向こうには、いっぱいいるよ。人と機械でごちゃごちゃしてる。舞に見せたいところだが、部外者は立ち入り禁止なんだ。特別に許可があれば別だけど」
社長が指さした先には、大きな鉄の扉があった。
「『ガッちゃん』という女性は、あの扉の向こうにいらっしゃるんですか?」
「は?」
「ああ。やたら広いよな?」
私達は、駐車場から前方に見える大きな建物に向かって歩いている。敷地は広大で、例えるなら大きなサービスエリアか道の駅か、そんな感じかな。
目指す大きな建物は、とてもモダンな作りで、例えるとしたら美術館か図書館かという感じで、工場とは思えない。
「社長。ここって、何の工場なんですか?」
「言わなかったっけ? 開発工場だよ。言ってみれば、俺の古巣ってとこかな」
「ああ、そうだったんですね」
恥ずかしながら、私は開発工場なる物の存在を知らなかった。開発部って、本社ビルの中にあるものと勝手に思ってた。本社ビルの中で、開発が出来るわけないのに。
「秘書って、守秘義務があるんだよな?」
「もちろん、あります」
「じゃあ、ここで見聞きした事は内緒な? 特に『ガッちゃん』の事は」
「あ、はい。承知しました」
『ガッちゃん』という女の子は、重要人物なのかしら。謎は深まるばかりだわ……
その建物の前に着くと、制服を着た警備員さんがいて、社長はその人に向かって手を上げ、警備員さんは社長に敬礼した。いかにも社長はここに来慣れている感じだ。
社長はIDカードをゲートに触れて通って行き、私もそれに倣った。入れなかったらどうしよう、と心配したけど、私のIDカードでも難なく通過出来た。
建物の中に入ると、そこはとても広く、静かだった。例えるなら、図書館か、ホテルのロビーみたいな感じ。
「誰もいないんですね?」
「ここにはね。あっちの扉の向こうには、いっぱいいるよ。人と機械でごちゃごちゃしてる。舞に見せたいところだが、部外者は立ち入り禁止なんだ。特別に許可があれば別だけど」
社長が指さした先には、大きな鉄の扉があった。
「『ガッちゃん』という女性は、あの扉の向こうにいらっしゃるんですか?」
「は?」