チャラい社長は私が教育して差し上げます!
社長は、なぜか鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。

「おまえ、『ガッちゃん』のメール、読んでないの?」

「読みませんよ。女の子のメールなんて……」

すると社長はクックックと笑い出し、やがてガハハと大笑いしだした。

「何がそんなに面白いんですか?」

「だって、おまえ、ガッちゃんが女って、クックック……」

「もう笑うのはやめてください!」

私は社長を怒鳴ってしまった。

「すまん。舞がそんな勘違いをしてるとは思わなかったよ。どうりで話が噛み合わないわけだ。ガッちゃんというのはね、新型エンジンのコードネームなんだ」

あ。そう言えば、『ターボくん』と同じアニメに『ガッちゃん』ってキャラもいた。

「それも作者繋がりですね? 私ったら、何で気付かなかったんだろう。コンセプトは何ですか?」

「ん? 聞いて驚くなよ。”何でも食べて燃やしちゃえ!”だ」

社長には悪いけど、驚くよりも『何それ?』って感じだ。

「あれ? 驚かないのか?」
「はい。特には……」

「ブランデーで走ってもか?」
「えっ?」

「やっと驚いてくれたな?」
「本当にブランデーで走るんですか? 凄いじゃないですか!」

そんなエンジン、聞いた事もない。凄い発明だと思う。あ、でも待って。

「ウィスキーでは走らないんですか?」

「それは問題ではない」
「どういう事ですか?」

「我々の目標は、もっともっと高いからだ」

「目標って?」
「絶対に口外するなよ。我々の目標は、オリーブオイルだ!」

そう言われても、何かピンと来ないなあ。

「ブランデーやウィスキーで妥協してはダメなんですか?」
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