チャラい社長は私が教育して差し上げます!
私には、触媒や超合金の話はさっぱりだけど、資金が足りないという事だけは理解出来た。
「あのー、資金があれば、経営統合に間に合うんですか?」
私は誰にともなくそう言うと、
「たぶん間に合うだろう」
と榊さんが答えてくれた。
「その場合、経営統合を阻止出来ますか?」
「その必要は無くなるだろうな」
と社長が言ったので、その社長に向かい、
「だったら、予算を増やしてもらいましょうよ」
と私は言った。
「俺がか?」
「そうです。社長は先ほど、”上の奴ら”と仰いましたよね? その頂点にいらっしゃるのは、社長じゃないんですか?」
「そう言えばそうだな」
「そうっすね」
「いや、俺はスポットだから」
「スポットでもスポックでも、社長は社長です。経営会議を招集して、予算を計上すればいいじゃないですか?」
「お、おまえ、簡単に言うけど、俺はそういうのが一番苦手なんだ」
バン!
私はテーブルを叩き、立ち上がった。手の平がジンジンしたけども。
「会社の命運がかかってるんですよ!」
「そんな、大袈裟な……」
「大袈裟じゃないっす。H社はEVに百パー傾いてるから、内燃機関の開発は潰されるっす」
あ。恵子の想像通りだ。恵子ってすごいわ。
「私は全力でサポートしますので、やりましょう、社長!」
「わかったよ。やってみよう」
ふーっと息を吐いて座った私に、斯波さんが話し掛けてきた。
「舞さん、俺もあの映画、好きっす」
私がさり気なくかましたジョークに、斯波さんだけは気付いてくれたみたい。
「あのー、資金があれば、経営統合に間に合うんですか?」
私は誰にともなくそう言うと、
「たぶん間に合うだろう」
と榊さんが答えてくれた。
「その場合、経営統合を阻止出来ますか?」
「その必要は無くなるだろうな」
と社長が言ったので、その社長に向かい、
「だったら、予算を増やしてもらいましょうよ」
と私は言った。
「俺がか?」
「そうです。社長は先ほど、”上の奴ら”と仰いましたよね? その頂点にいらっしゃるのは、社長じゃないんですか?」
「そう言えばそうだな」
「そうっすね」
「いや、俺はスポットだから」
「スポットでもスポックでも、社長は社長です。経営会議を招集して、予算を計上すればいいじゃないですか?」
「お、おまえ、簡単に言うけど、俺はそういうのが一番苦手なんだ」
バン!
私はテーブルを叩き、立ち上がった。手の平がジンジンしたけども。
「会社の命運がかかってるんですよ!」
「そんな、大袈裟な……」
「大袈裟じゃないっす。H社はEVに百パー傾いてるから、内燃機関の開発は潰されるっす」
あ。恵子の想像通りだ。恵子ってすごいわ。
「私は全力でサポートしますので、やりましょう、社長!」
「わかったよ。やってみよう」
ふーっと息を吐いて座った私に、斯波さんが話し掛けてきた。
「舞さん、俺もあの映画、好きっす」
私がさり気なくかましたジョークに、斯波さんだけは気付いてくれたみたい。