チャラい社長は私が教育して差し上げます!
スマホで時刻を確認したら、出社には十分間に合う時刻だった。と言ってもそれは昨日までのアパートでの事であり、この社長のマンションからではどうなのだろう。
「社長。ここから会社まで電車でどのくらい掛かるんですか?」
私はまだベッドにいる社長に聞いてみた。
「ん……俺はあまり電車で行かないから、分からないなあ。電車で会社に行くのか?」
「はい。今日は始業時刻の1時間前に出社したいんです」
「秘書ってみんなそうなのか?」
「そうらしいです」
「ふーん、大変なんだなあ。どうするかな……」
と言いながら社長は壁の時計を見ていた。
「所要時間はスマホで調べるので大丈夫です。最寄の駅はどこになりますか?」
と聞いたのだけど、なぜか社長の返事が無い。
「駅まで歩いて何分ぐらい掛かりますか?」
と続けて聞いたら、
「よし、1時間後に出よう?」
は?
”1時間後に”は解るけど、”出よう”って何?
「もしかして、社長も私と一緒に出社される、という意味ですか?」
「そうだけど?」
「R2020で、ですか?」
「もちろん」
「社長にそんなご無理はさせられません」
「気にすんなって。少し早く出るぐらい、何でもないさ」
「そうですか。では、お願いします」
出掛けるまで時間があるので、キッチンで社長とモーニングコーヒーを飲んでいる。
「社長は、朝ご飯は食べないのですか?」
「ああ、食べない。コーヒーを飲むだけだ」
「健康に良くないと思います」
「そうか?」
「なんでしたら……」
しまった。『なんでしたら、私が朝ご飯を作りましょうか?』って、言いそうになってしまった。私は、もうすぐ此処を出て行く身なのに。
「”なんでしたら”の続きは何だ?」
「何でもありません。つい口が滑りました」
「もし、”私が朝ご飯を作りましょうか?”だったら、ぜひお願いしたい」
え?
「社長。ここから会社まで電車でどのくらい掛かるんですか?」
私はまだベッドにいる社長に聞いてみた。
「ん……俺はあまり電車で行かないから、分からないなあ。電車で会社に行くのか?」
「はい。今日は始業時刻の1時間前に出社したいんです」
「秘書ってみんなそうなのか?」
「そうらしいです」
「ふーん、大変なんだなあ。どうするかな……」
と言いながら社長は壁の時計を見ていた。
「所要時間はスマホで調べるので大丈夫です。最寄の駅はどこになりますか?」
と聞いたのだけど、なぜか社長の返事が無い。
「駅まで歩いて何分ぐらい掛かりますか?」
と続けて聞いたら、
「よし、1時間後に出よう?」
は?
”1時間後に”は解るけど、”出よう”って何?
「もしかして、社長も私と一緒に出社される、という意味ですか?」
「そうだけど?」
「R2020で、ですか?」
「もちろん」
「社長にそんなご無理はさせられません」
「気にすんなって。少し早く出るぐらい、何でもないさ」
「そうですか。では、お願いします」
出掛けるまで時間があるので、キッチンで社長とモーニングコーヒーを飲んでいる。
「社長は、朝ご飯は食べないのですか?」
「ああ、食べない。コーヒーを飲むだけだ」
「健康に良くないと思います」
「そうか?」
「なんでしたら……」
しまった。『なんでしたら、私が朝ご飯を作りましょうか?』って、言いそうになってしまった。私は、もうすぐ此処を出て行く身なのに。
「”なんでしたら”の続きは何だ?」
「何でもありません。つい口が滑りました」
「もし、”私が朝ご飯を作りましょうか?”だったら、ぜひお願いしたい」
え?