チャラい社長は私が教育して差し上げます!
私は自席に戻ると、ノートPCの蓋をパカッと開いた。そしてWORDを起動して、緊急経営会議に向けたあれやこれやを、思い付くままに打ち込んで行った。
その作業は思いの他時間が掛かり、紙にプリントアウトした時は、社長と約束した時刻のちょっと前だった。
その紙を引き出しに仕舞い、社長室のドアに目を向けていると、間もなくして社長が中から出て、私に視線を送ってきた。私は立ち上がってバッグを肩に掛け、誰に言うともなく「お昼に行ってきまーす」と言い、足早に職場を離れた。
なぜ”足早に”かと言うと、12時前にお昼に行く後ろめたさと、周囲の反応を見たくなかったから。小さな事だと思うけど、気にする人は気にするわけで、かく言う私は気にする人だ。
「舞は食べたい物はあるか?」
「ん……ラーメン」
「そんなんでいいのか?」
「社長は、無性にラーメンを食べたくなる時ってないですか?」
「ああ、確かにある。あれは不思議だよな?」
「はい。今の私が正にそれなんです」
「わかった。じゃあ中華で」
会社を出て、入ったお店はラーメン屋さんではなく、中華料理店だった。確かにメニューにラーメンはあるのだろうけど、私のイメージとはだいぶ違ってしまった。たぶん奢ってもらえるから、それは言わなかったけども。
社長はホイコーローを食べ、私は担々麺を食べた。
「それ、ラーメンじゃないだろ?」
「メニューを見てたら、他に目移りしちゃって……」
「ああ、そういうのって、あるよな?」
「でしょ?」
という感じで、私と社長の距離は急速に接近しつつある、と思うのは私だけかな。
その作業は思いの他時間が掛かり、紙にプリントアウトした時は、社長と約束した時刻のちょっと前だった。
その紙を引き出しに仕舞い、社長室のドアに目を向けていると、間もなくして社長が中から出て、私に視線を送ってきた。私は立ち上がってバッグを肩に掛け、誰に言うともなく「お昼に行ってきまーす」と言い、足早に職場を離れた。
なぜ”足早に”かと言うと、12時前にお昼に行く後ろめたさと、周囲の反応を見たくなかったから。小さな事だと思うけど、気にする人は気にするわけで、かく言う私は気にする人だ。
「舞は食べたい物はあるか?」
「ん……ラーメン」
「そんなんでいいのか?」
「社長は、無性にラーメンを食べたくなる時ってないですか?」
「ああ、確かにある。あれは不思議だよな?」
「はい。今の私が正にそれなんです」
「わかった。じゃあ中華で」
会社を出て、入ったお店はラーメン屋さんではなく、中華料理店だった。確かにメニューにラーメンはあるのだろうけど、私のイメージとはだいぶ違ってしまった。たぶん奢ってもらえるから、それは言わなかったけども。
社長はホイコーローを食べ、私は担々麺を食べた。
「それ、ラーメンじゃないだろ?」
「メニューを見てたら、他に目移りしちゃって……」
「ああ、そういうのって、あるよな?」
「でしょ?」
という感じで、私と社長の距離は急速に接近しつつある、と思うのは私だけかな。