チャラい社長は私が教育して差し上げます!
「えーっとね、『そのつもりです』って、どういう意味なの?」

「あれはね、お義父さんが『結婚の意思はあるのか?』って仰ったから、そう答えた」

「け、結婚? 直哉さんと、私が?」

「当たり前だろ? その前にお義父さんは『遊びか?』って仰ったから、俺ははっきり否定したんだ。遊びでなければ、結婚を前提に、ってなるだろ?」

「でも、早くない?」
「愛に時間は要らない。そうだろ?」

「そうね。嬉しい!」

私は社長に抱き着き、嬉し涙を目に溢れさせた。

少しして気持ちの高ぶりが収まると、私はもうひとつ聞いてみようと思った。

「『夕方までには』って、どういう意味なの?」

「それはね、お義母さんが『何時ごろ来られるのかしら?』って仰ったから、そう答えた」

「えっ? これから私の実家に行くの?」

「そうだよ。お義父さんが『こっちに来られるか?』って仰ったから、俺は『いいですよ』って答えたんだ」

「でも、遠いのよ?」

「300キロだろ? お義父さんが仰ってた。でも俺は、『それぐらいは訳ないです』って言ったんだ。実際のところ、ドライブに丁度いい距離だと思わないか?」

「そうかもだけど、急いで支度しなくっちゃ。きゃっ」

私は考えなしに掛け布団を剥ぎ、自分が素っ裸だった事に気付き、慌てて掛け布団を元に戻した。

「見た?」
「見た。出掛ける前に、1回やろうよ?」

「ダメよ。ちょ、そんなとこ触らないで。ダメだってば。あん、いい……」
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