チャラい社長は私が教育して差し上げます!
間もなく定時になり、私達は会社を出ると車で直哉さんの実家へ向かった。
外は、いつの間にか雨が降っていた。私はこの雨に濡れ、一人泣きながら歩く自分の姿を想像してしまった。そんな気弱な気持ちが伝わったのか、
「行くのをやめるか?」
と直哉さんに言われてしまった。でも私は気を取り直し、
「いいえ、行きます」
と答えた。逃げてなんていられない。自分の道は自分で切り開く、みたいな?
「そうか」
「ねえ、直哉さんのご両親は、どんな方なの? お父様は、お顔しか存じ上げてなくて……」
「親父は、一言で言えば俺に似てる。顔は似てないが、性格はそっくりだ。つまり、ちゃらんぽらん?」
「ごめんなさい。何て返していいか分かりません」
「あはは。無理に言わなくていいよ。おふくろは、顔は俺と似てるけど、性格は全く違う。口煩くて、ヒステリックだ」
「はあ……」
どうやら強敵はお母様らしい。なんか、怖くなってしまった。
「俺的には、姉貴が一番怖い」
「え?」
私の心の声、直哉さんに聞こえちゃった?
「お姉様って、お母様よりヒステリックなの?」
「いや、そういう事じゃないんだ。何て言うか、全て見透かされてるって感じかな。俺は昔から姉貴が苦手で、逆らった事は一度もない」
「そうなんだ……。お顔は?」
「顔は俺とよく似てる」
じゃあ、美人さんなのね。お姉様って、どんな方なんだろう……
外は、いつの間にか雨が降っていた。私はこの雨に濡れ、一人泣きながら歩く自分の姿を想像してしまった。そんな気弱な気持ちが伝わったのか、
「行くのをやめるか?」
と直哉さんに言われてしまった。でも私は気を取り直し、
「いいえ、行きます」
と答えた。逃げてなんていられない。自分の道は自分で切り開く、みたいな?
「そうか」
「ねえ、直哉さんのご両親は、どんな方なの? お父様は、お顔しか存じ上げてなくて……」
「親父は、一言で言えば俺に似てる。顔は似てないが、性格はそっくりだ。つまり、ちゃらんぽらん?」
「ごめんなさい。何て返していいか分かりません」
「あはは。無理に言わなくていいよ。おふくろは、顔は俺と似てるけど、性格は全く違う。口煩くて、ヒステリックだ」
「はあ……」
どうやら強敵はお母様らしい。なんか、怖くなってしまった。
「俺的には、姉貴が一番怖い」
「え?」
私の心の声、直哉さんに聞こえちゃった?
「お姉様って、お母様よりヒステリックなの?」
「いや、そういう事じゃないんだ。何て言うか、全て見透かされてるって感じかな。俺は昔から姉貴が苦手で、逆らった事は一度もない」
「そうなんだ……。お顔は?」
「顔は俺とよく似てる」
じゃあ、美人さんなのね。お姉様って、どんな方なんだろう……