【番外編】イケメン警察官に2人ごと守られて。
日付が変わろうとする頃、涼介は静かに玄関の鍵を開けた。
長い一日だった。
疲労の奥に、ずっと胸を締めつける痛みがある。
──朝の、美香奈の顔。
「……ただいま」
小さく声をかけても、返事はなかった。
玄関には、いつもより少し乱雑に置かれた靴。
部屋の灯りも、静かに、ともっている。
いる。──だけど、何かが違った。
ふと、鼻をかすめる空気に違和感を覚える。
いつもなら微かに香る、温かい食卓の名残。
今夜はそれが、どこにもなかった。
キッチンに足を向ける。
整った流し台、きれいな食器棚──何も手をつけた気配がない。
胸の奥にざらりとした不安が広がる。
──まさか、俺のせいで……?
慌ててリビングを見回すと、飲みかけのマグカップがポツンといかれていた。
確かに、美香奈の気配はここにある。
(……いる。ちゃんと)
ひとつひとつ、確かめるように部屋をまわる。
そして、寝室の扉をそっと開けた。
長い一日だった。
疲労の奥に、ずっと胸を締めつける痛みがある。
──朝の、美香奈の顔。
「……ただいま」
小さく声をかけても、返事はなかった。
玄関には、いつもより少し乱雑に置かれた靴。
部屋の灯りも、静かに、ともっている。
いる。──だけど、何かが違った。
ふと、鼻をかすめる空気に違和感を覚える。
いつもなら微かに香る、温かい食卓の名残。
今夜はそれが、どこにもなかった。
キッチンに足を向ける。
整った流し台、きれいな食器棚──何も手をつけた気配がない。
胸の奥にざらりとした不安が広がる。
──まさか、俺のせいで……?
慌ててリビングを見回すと、飲みかけのマグカップがポツンといかれていた。
確かに、美香奈の気配はここにある。
(……いる。ちゃんと)
ひとつひとつ、確かめるように部屋をまわる。
そして、寝室の扉をそっと開けた。