【番外編】イケメン警察官に2人ごと守られて。
美香奈は、ぎりぎりで電車に飛び乗り、なんとか遅刻せずに職場にたどり着いた。

朝のバタバタで慌ただしかったけれど、
胸の奥には、昨夜と今朝の温もりがちゃんと残っていた。

いつものデスクに座り、パソコンを立ち上げる。
カタカタとキーボードを叩きながら、ふとスマホをちらりと見た。

──通知がひとつ。

涼介からだった。

《今日は遅くなるけど、早く帰れるように頑張る。
ミルクとゼリーだけじゃ足りないだろ。
夜ご飯、一緒に食べような》

そのメッセージを見た瞬間、
美香奈の胸の奥が、じんわり温かくなった。

(……バレてたんだ)

強がって、平気なふりをしていたつもりだったけど、
涼介には全部、見抜かれていたんだと、改めて思う。

美香奈は、スマホをぎゅっと握りしめて、そっと返信した。

《うん。待ってるね》

顔が自然とふにゃっと緩んでしまい、
同僚に「美香奈ちゃん、なんかいいことあった?」なんてからかわれた。

「ううん、なんでもないよ」

そう言って、照れながら笑った。

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