【番外編】イケメン警察官に2人ごと守られて。
叶わないと思っていた夢のつづき
ある日、美咲からぽつりと告げられた。
「ねえ、美香奈。私たち……結婚式、やることにしたの」
カフェのテーブル越し、コーヒーの湯気がふわりと漂う中、
美咲は照れたように笑った。
「小さな式だけど、良かったら、来てほしいな」
その言葉に、美香奈はぱっと顔を明るくして、すぐにうなずいた。
「もちろん!ぜひ参加させて!」
本当に、心からそう思った。
大好きな美咲の、人生の大切な日。
側で祝えることが嬉しかった。
でも──
(いいなぁ……)
美香奈は、自分でも気づかないうちに、
心のどこかでそう呟いていた。
康太も、美咲も、
きっと家族に祝福されながら、あたたかい式を挙げるんだろう。
美香奈の胸に、静かに小さな痛みが広がる。
(私にはなかったものだ)
思い出すのは、子どものころ。
「お姉ちゃんは大変だから」「あなたは我慢して」
そう言われ続けた日々。
誰かに一番に大事にされることを、
当たり前に喜べることを、
心の底から羨ましいと思った。
──でも、そんな顔は見せたくなかった。
「ほんと、楽しみだね」
美香奈は、いつも通りの笑顔を浮かべた。
自分の中の小さな寂しさに、
そっと鍵をかけるみたいに。
「ねえ、美香奈。私たち……結婚式、やることにしたの」
カフェのテーブル越し、コーヒーの湯気がふわりと漂う中、
美咲は照れたように笑った。
「小さな式だけど、良かったら、来てほしいな」
その言葉に、美香奈はぱっと顔を明るくして、すぐにうなずいた。
「もちろん!ぜひ参加させて!」
本当に、心からそう思った。
大好きな美咲の、人生の大切な日。
側で祝えることが嬉しかった。
でも──
(いいなぁ……)
美香奈は、自分でも気づかないうちに、
心のどこかでそう呟いていた。
康太も、美咲も、
きっと家族に祝福されながら、あたたかい式を挙げるんだろう。
美香奈の胸に、静かに小さな痛みが広がる。
(私にはなかったものだ)
思い出すのは、子どものころ。
「お姉ちゃんは大変だから」「あなたは我慢して」
そう言われ続けた日々。
誰かに一番に大事にされることを、
当たり前に喜べることを、
心の底から羨ましいと思った。
──でも、そんな顔は見せたくなかった。
「ほんと、楽しみだね」
美香奈は、いつも通りの笑顔を浮かべた。
自分の中の小さな寂しさに、
そっと鍵をかけるみたいに。