【番外編】イケメン警察官に2人ごと守られて。
そうしてリビングへ戻っていく涼介の背中を、美香奈は少し寂しそうに見つめた。
──また、何か意地悪する気だな。
そんな予感を抱きながら。

一通り家事を終えたころ、ふとソファに目をやると、涼介がたいして手伝いもせず、くつろいだ様子で座っていた。
そして、美香奈と目が合う。

家事をしている最中から、なんとなく気付いてはいた。
涼介は、忙しなく動き回る美香奈の姿を、まるで観察するようにじっと見つめ続けていたのだ。

美香奈は呆れたように言った。

「見てるだけじゃなくて、手伝ってくれても良いのに。」

すると涼介は、さらりとした顔で返す。

「俺は美香奈を見るっていう家事があったんだよ。」

意味のわからないことを言われて、美香奈は軽く睨みつけた。
それを見た涼介は、まるで子どものように嬉しそうに笑う。

「あ、睨んだ！」

嬉しそうに言う涼介に、美香奈は思わずため息をついたが、その顔には、どこか緩んだ微笑みが浮かんでいた。
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