【番外編】イケメン警察官に2人ごと守られて。
数日後、美香奈のもとに一通のメールが届いた。
差出人は、犯罪被害者支援センターの佐伯心理士だった。

――迅速なご対応ありがとうございました。
依頼者の方も、新しい生活に向けて前向きに歩き出せそうです。

美香奈は、そっと画面を閉じると、小さく安堵の息をついた。
依頼者の未来が少しでも明るいものであってほしいと願いながら取り組んできた仕事だった。結果が実を結びつつあることに、胸の奥が静かに温かくなる。

さらにその日の午後、今度は真木弁護士から連絡が入った。
彼は美香奈のこれまでの対応を高く評価し、言葉を続けた。

「美香奈さん、今回のあなたの動きは本当に素晴らしかった。
 これからは事務所内に、被害者支援を専門に扱うチームを正式に立ち上げる予定なんです。
 そこで、ぜひあなたに、そのプロジェクトのリーダーをお願いしたいと思っています。」

思いもよらない申し出に、美香奈は思わず言葉を失った。
自分のしてきたことが、誰かの未来をつくる一歩になるかもしれない。
その重みと責任を感じながらも、心の奥にふっと誇らしさが芽生えるのを感じた。

「……ありがとうございます。光栄です。」

美香奈は、まっすぐにそう答えた。
新しい一歩を、自分の手で踏み出していくために。
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