【番外編】イケメン警察官に2人ごと守られて。

「お待たせ〜」
美香奈が笑顔で声をかけながら、温かい紅茶とお菓子のトレーをテーブルに置いた。

「おっ、ありがたい！」
長谷川が嬉しそうに手を伸ばし、さっそくクッキーを一枚つまむ。

「休憩も大事だからな。」
涼介もほっとしたように息をついて、マグカップを手に取った。

美咲も隣に腰を下ろし、にこにこと二人を見つめながら話し出す。
「でも、こうやって見ると、なんか学生時代に戻ったみたいだね。試験勉強って、懐かしいなぁ。」

「いやいや、俺、あの頃から勉強得意じゃなかったから……」
長谷川が頭をかきながら苦笑する。

「でも、ちゃんとやってるじゃん。」
涼介が軽く肩を叩くと、長谷川は照れくさそうに笑った。

「まぁ、受かっても落ちても後悔しないようにだけは、したいからな。」
そう言って、真剣な顔を見せる長谷川に、美香奈も自然と頷く。

「うん。長谷川さんならきっと大丈夫だよ。」
美香奈が穏やかな声で言うと、長谷川は照れくさそうに「おう、頑張る」と答えた。

「でも、もし受かったら……美咲、何かご褒美くれるって言ったよな？」
長谷川がニヤリと笑って美咲を見ると、美咲はふふっと笑いながら「もちろん」と即答した。

「何が欲しいか考えておいてよね、長谷川さん。」
「え、マジで！？よし、じゃあ超豪華なやつ頼んじゃおうかな！」

そんな冗談めいたやりとりに、リビングは温かな笑い声で満たされた。

いつもの気取らない空気。
だけどそれぞれが、目に見えない未来に向かって、一歩ずつ進んでいる。
そのことが、みんなの心に小さな自信と希望を灯していた。