ぶどうジュースと夏の誓い
陽射しが照りつけて干からびそうなので、わたしたちは急いで塾に戻った。
「速水さん、熱中症になるといけないから。おせっかいかもしれないけど、買ってきたよ!」
わたしはぶどうジュースを速水さんに差し出した。たったそれだけのことなのに、顔がものすごく真っ赤になってしまう。
速水さんは、いつも細い目を少しぱっちりさせて、まじまじとわたしを見てる。水面に映った満月みたいに綺麗な目。
一瞬、目と目が合った時間は尊くて。
速水さんはこらえきれないように、肩を上下させて笑い始めた。笑いはなかなか止まない。
「速水さん?」
何がそんなにツボにハマったのか気に掛かって、わたしは臆病な目をして、速水さんの名前を呼んだ。