幼馴染に彼女ができたけどなんで私が嫉妬されてるの?
「なによ、こんな時間に」

不機嫌な沙菜。

「ちょっとな。いいから部屋に入れてくれよ」

「げっげー!ありえない!こんな夜に乙女の部屋訪ねてこないでよ!」

なんだぁ?
ここまで来たのに部屋に入れないだと?
ありえねぇ。

「いいから入れろって」

強行突破した。
沙菜の力なんてたかが知れてる。
簡単にドアを開けることができた。

「あのLINEなんだよ」

部屋で早速本題に入る。
そう言えば、沙菜の部屋は久しぶりだ。
昔あったぬいぐるみの山、今はどこに行ったんだ?

「なんだよって、そのままの意味」

つっけんどんに言い放つ沙菜。

「噂なんか気にしてんのか?」

沙菜はそんな小さなこと気にするやつだったか?

「誰のせいで被害受けてると思ってんのよ!」

え?被害?
高校生にもなって、こんな噂でイジメが発生したりすんのか?
少し焦った。

「被害って、何かされたのか?」

「陰口オンパレードだよ。
野次馬がうちのクラスにも押しかけてくるし」

その回答を聞いてホッとした。

「なんだ、実害じゃねーじゃん。明日も運ちゃん頼むぜ」

そんなこと、気にしなければいいだけの話じゃねーか。
しかし、沙菜はオレの言葉に不服のようだ。
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