幼馴染に彼女ができたけどなんで私が嫉妬されてるの?
「充分実害あるんだけど!
そもそも、蓮と私は単なるお隣さんなのに、どうして勝手に彼女扱いされちゃうわけ?略奪愛って、そんなことあるはずないのに」

なんだ?オレに怒ってんのか?
勝手に彼女と思われるのが嫌ってことか?

「あ、なに?じゃあ事実だったらオッケーってこと?」

「はぁ?」

「それって沙菜がオレの彼女だったら問題ないってことだろ」

「どうしてそうなるのよ…」

なんだよ、その反応。
オレの妙案に心底呆れた顔をされ、無性に腹がたった。

そう言えば、沙菜は木田とはどうなったんだ?
もしかして、木田の事が好きなのか?
木田に誤解されたくないってことか?
そう思ったら、尚更イライラして、冷静ではいられなくなってきた。
「いっそ、既成事実作るか」

ドサっ。
気がついたら、沙菜をベッドに押し倒していた。
オレは彼女ができたって、沙菜とは今まで通り変わらずにいたかった。
それなのに、沙菜はそう思っていないことがショックで、そしてムカついた。

「ちょ、ちょっと…。こういう冗談マジで止めて。下にお母さんいるし」

真っ青になって顔を背ける沙菜。
長い髪がサラサラっと沙菜の頬を流れた。
沙菜の細い首筋が目の前にある。
目線を少し下に落せば、Tシャツから沙菜の素肌が少し透けて見えた。

な、なんだよ…。
オレは動悸が激しくなった。
やべ、体が反応する。
いつから沙菜はこんな女っぽくなったんだ?

「冗談じゃなかったら?」

「え?」

困惑してオレを見た沙菜に、衝動のままに唇を押し付けた。

「ふ…っ!ん!」

暴れる沙菜に体重をかけて逃げられないようにした。
プハッと沙菜が口を開いたのを逃さず、舌を入れて貪るようにキスを続けた。
沙菜の抵抗が徐々に弱まってくる。
それをオレは受容だと思った。
幼馴染としてではなくても、男として受け入れてくれるなら…。
そんなことを考えて、益々激しくキスを続けた。
沙菜の口内は官能的で、夢中になった。
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