幼馴染に彼女ができたけどなんで私が嫉妬されてるの？

幼なじみとの距離感

「ねえ、蓮君。麻賀さんとは別れたんでしょう？」

下校時刻、帰ろうと歩いていたら、別のクラスの女子から話しかけられた。
クラスメイトの友達で、何度か話した程度の仲だ。
一瞬名前が思い出せず、ぼんやりしてしまった。
確か、名前は飯嶋 綾（イイジマ アヤ）だったっけ？

「そうだけど？」

「じゃあ、次の彼女は私にしない？」

なんだそりゃ。

「告白タイムかよ」

「そう。私入学式からずっと、蓮君狙ってたんだ」

「オレ、もう彼女いらねーから」


それだけ言って歩き出したけど、飯嶋は後を追ってくる。
チッ。

「どうして彼女欲しくないの？」

「めんどくせーから」

正直な理由を言った。

「麻賀さんと、修羅場でもしてこりちゃった？」

あー、うぜぇ。

「別に。ただいらねーってだけ」

歩む速度を速めた。
飯嶋は小走りでついてくる。

「なんだよ、オレこれからバイトあるんだけど」

一応嘘じゃない。
ただ、今日はいつもより開始時間が遅くて５時から８時までだけど。

「じゃあ、エッチだけってどう？」

はぁ？何言ってんだこの女。

「品のない冗談は嫌いだね」

「わぁ、蓮君って意外と潔癖なの？でも、冗談じゃなくって本気なんだけどナ」

正気かよ。

「マジで面倒臭いの嫌なんだよね。後から文句言われたらたまんねーし」

「言わないわよ。エッチしたくらいじゃ」

「信用できねー」

女はわけわかんねーからな。
だけど飯嶋はオレの腕に自分の腕を絡めてきた。