幼馴染に彼女ができたけどなんで私が嫉妬されてるの?
それからも、数回飯嶋とセックスした。
それが普通になりつつある頃、他の女子からも誘われるようになった。
オレは慎重に相手を選ぶことにした。
飯島みたいに割り切った女子じゃないと、トラブルになると思ったからだ。
同じ様なヤツは友達の中にも一人だけいて、そいつが「避妊だけは気をつけろ」と教えてくれた。

「相手を妊娠させたら自分の人生が終わるぞ」

そう言われ、その通りだと心底思った。
バイトで金に余裕はあるから、質の良いコンドームを買って必ず持ち歩いたし、服を脱げばすぐにつけた。
もちろん必ず抜いてから最後に達した。
オレは最低な男だけど馬鹿じゃねぇ。

相変わらず沙菜はオレと口をきいてくれない。
竜が良く三波家にお世話になっているけど、オレは玄関先に迎えに行くだけになった。
オレにとって、三波家は敷居が高い場所になってしまった。
高校生にもなって、家族に突き放されたような喪失感を抱いていた。
それを埋めるように、誘われるがままにセックスした。

沙菜にもこの噂が届いているんだろう。
最近では、目も合わせてくれなくなった。

乱れた生活をしているうちに、あっという間に夏休みがきた。
それはもちろんオレらだけで、両親は相変わらず仕事でいない日が多い。
母ちゃんは有休をなるべくこういった大型の休みに使ってくれるけど、それでも親不在の日は多い。
部活に入っていないオレは、両親が仕事の日、午前中は洗濯をして、母ちゃんが用意してくれる昼食を竜と食べ、午後からバイトに行くのが夏休みのルーティーンになった。
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