タイプではありませんが
だけど、成果が目に見えてわかるのは、営業の醍醐味なのだ。毎日同じようなことの繰り返しで、取引先によってぜんぜん違う仕事。
ワクワクする。ドキドキする。血が体中を巡って、生きていることを実感するのだ。
目を輝かせる楓に星野は微笑み、星野は本棚から一冊の本を取り出した。
それは先程とは違う公認会計士試験の本だった。奥付の日付はまだ発売されて一年も経っていない。
「実は俺さ、元々営業じゃなくて経営企画志望だったんだ」
「え?そうなの?」
「そう。ま、基本的に新卒では配属されない部署だし、営業も必死にやると奥が深いし、楽しいし。まぁ、八割満足しているしさ。このままでいいやって思っていた」
「うん」
「山下とおんなじ部署だしさ」
「う、うん……」
突然、そんなことをぶっこまれても困るのに。答えに窮する楓を見て星野は笑った。