タイプではありませんが

「……が、頑張って。お、応援してる」
 不意に目を見れなくなった。逸らしながら早口で言葉を伝えるが、星野は気になったようだ。
「なんかいつもの山下っぽくないね。また妬んでるん?勿体ないよーって」
「ちがっ!本当にっ……これは」
 半分からかう口調の星野を全力で否定する。
「じゃあ何で?」
 いつの間にか、持っていた本は元の場所に直したようだ。
 頬を両手で挟まれ、クイッと正面に向けられる。
 星野が、顔を覗き込んで来る。

「本当だ、妬みではなさそう。じゃあ何で目逸らしたん?」
 楓の表情を読み取った星野が更に問いかける。
憎たらしいくらい満面の笑みだ。きっと気づいている。
「……わかるでしょ?」
「んーわからないね。……営業はできるけど女性には疎いもんで」
「嘘つけ」
「ホントホント。好きな女の子の気持一つわからないからさ」
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