タイプではありませんが


 まず前の日の勤務が終わる前に明日する業務をスケジュール管理システムに打ち込むのだ。
 具体的に勤怠管理や人事面接の業務から、俗に雑務と言われるような郵便の仕分けや備品の整理などまで。
 もちろん、同じ部全員のスケジュールは共有しているから、誰が翌朝どの業務をするか一目瞭然だ。
 飛び込みで来る急ぎの仕事の対応や、急遽休みや早退、在宅勤務に切り替えたとしても上手く業務が回るように考えられた仕組み。
 細かいところまで入力しないといけないから最初は煩わしかったけれど、フルタイム正社員が少ない総務ではそうしないと仕事が回らないとわかればその手間は惜しくなかった。

 全社的に同じスケジュール管理システムを使っているのに部署によって活用レベルが全く違う。
 営業にいた時は知らなかった機能も異動して二週間経つ頃には使いこなせるようになっていた。
 そして、楓自身も業務を細かくスケジューリングすることでほとんど残業はなく、休日出勤に至ってはゼロになった。
 それどころか。
「有給、ですか?」
「そっ。年間五日は消費しないといけないの、知っているわよね?」
「ええ」
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